「サービス名は知っているが、運営している会社が何の免許で動いているのかは見たことがない」——そんな引っかかりに応えます。不動産クラウドファンディングの事業者は、必ず番号のついた許可を持って営業しています。CREALを運営するクリアル株式会社を例に、その番号が何を意味するのかを、2026年9月21日時点の公開情報と条文で整理します。
まず番号を見る。CREALの許認可(ここが最重要)
クリアル株式会社の運営者情報には、三つの登録が並んでいます。不動産特定共同事業の許可番号 金融庁長官・国土交通大臣 第135号、宅地建物取引業の免許番号 国土交通大臣(1)第11230号、そして金融商品取引業の登録番号 関東財務局長(金商)第2898号。所在地は東京都港区新橋2-12-11、代表取締役社長は横田大造氏です。同社は東京証券取引所グロース市場に証券コード2998で上場しています。
サービス面では、最低投資金額が1万円、累計調達額は公式トップページで1,165億円と示されています。ただし番号と金額は別の話です。先に番号を読みます。
「第135号」は、どこまでを許された番号か
不動産特定共同事業法は、事業の中身を第2条第4項で四つに分けています。条文はこう書いています。
一 不動産特定共同事業契約を締結して当該不動産特定共同事業契約に基づき営まれる不動産取引から生ずる収益又は利益の分配を行う行為
二 不動産特定共同事業契約の締結の代理又は媒介をする行為
三 特例事業者の委託を受けて当該特例事業者が当事者である不動産特定共同事業契約に基づき営まれる不動産取引に係る業務を行う行為
四 特例事業者が当事者である不動産特定共同事業契約の締結の代理又は媒介をする行為
ごく短くすると、1号は自分で出資を受けて分配する側、2号はその契約を取り次ぐ側、3号と4号は特例事業者(その事業だけを目的に作られた法人)の業務を受託したり勧誘したりする側です。クリアル株式会社は2018年10月に第1号・第2号事業(電子取引業務を含む)の許可を受け、翌11月にCREALのサービスを開始しています。3号・4号事業についても、2025年3月31日付で許可を申請したと発表されました。
つまり同じ「不動産クラウドファンディング」でも、事業者がどの号を持つかで立ち位置が変わります。番号の後ろに並ぶ号数まで見て、はじめて出資先の相手が見えてくる。
許可のハードルは、条文のどこにあるか
第3条第1項は、不動産特定共同事業を営もうとする者は主務大臣の許可を受けなければならない、と定めます。無許可営業の余地はありません。許可の基準は第7条にあり、そこには「不動産特定共同事業を適確に遂行するに足りる財産的基礎及び人的構成を有するものであること」、そして「電子取引業務を適確に遂行するために必要な体制が整備されているものであること」が並びます。オンラインで募集する事業者は、後者の体制まで審査を受けました。
条文は運営の現場にも及ぶ。第17条第1項は事務所ごとに業務管理者を置くことを義務づけ、その要件として宅地建物取引業法第2条第4号の宅地建物取引士であることを挙げています。第16条は、事務所ごとに公衆の見やすい場所へ標識を掲示せよと定めます。番号は飾りではなく、人と場所の要件とセットです。
許可を、利回りの保証と読み替えない
ここは冷静に見る必要があります。許可は事業者の体制を審査する制度であって、個別ファンドの成績を約束する制度ではありません。CREALの公式サイトには過去に元本割れがない旨の記述がありますが、それは将来の運用成果を保証するものではなく、物件の空室や売却価格の下振れによって分配が減ったり元本が毀損したりすることはあります。運用中は原則として途中換金ができない点も、預金との決定的な違いです。
もう一段、確かめ方を具体にします。金融庁と国土交通省は許可を受けた不動産特定共同事業者の一覧を公表しており、会社名と許可番号、そして第何号事業かがそこに並びます。サイト側の表記と一覧の記載が食い違っていないか。第135号のような番号は、その照合のための鍵です。契約前交付書面で対象物件と優先劣後の割合、運用期間を確かめる手順は、その後になります。
数字の読み方は想定利回り年15〜25%を中立に読むで扱いました。事業者の素性を見る手順は、みらりたの仕組みと評判を中立に整理する、プレファンの不動産クラウドファンディング、未来の福祉ファンドの中立解説でも同じ順序で確かめています。番号→号数→体制→運用条件、という並びは事業者が変わっても動きません。
どんな人に向く確認方法か
広告の利回りだけで判断したくない人、社会性のある物件に出資したい人ほど、この手順が効きます。逆に、番号を見ても意味が読み取れないまま「許可があるから安心」と結論づけるなら、確認の効果は消えます。許可番号は検索の入口であって、終点ではありません。
よくある質問
CREALの不動産特定共同事業の許可番号は何番ですか?
クリアル株式会社の運営者情報には、許可番号として金融庁長官・国土交通大臣 第135号と記載されています。あわせて宅地建物取引業が国土交通大臣(1)第11230号、金融商品取引業が関東財務局長(金商)第2898号です。
1号事業と2号事業は何が違うのですか?
第2条第4項第1号は、契約を結んで不動産取引の収益や利益を分配する側です。第2号は契約の締結の代理または媒介をする側を指します。出資を受けて事業を営む側と、契約を取り次ぐ側という違いになります。
許可を受けずに不動産特定共同事業を営むことはできますか?
できません。第3条第1項が主務大臣の許可を求めています。一の都道府県内にのみ事務所を置く場合は都道府県知事の許可になりますが、第3号事業または第4号事業を行おうとする者は除かれます。
許可があれば元本は守られますか?
守られません。許可は財産的基礎と人的構成、電子取引業務の体制を審査する制度です。運用結果は物件と市況に左右されます。